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ドイツのパン

ドイツでは小麦を収穫するのが難しかったため、パンはライ麦を使ったものが主流になっています。
小麦粉と違ってライ麦粉がグルテンが少ないため、酵母の出すガスを閉じ込めることが難しいので、膨らみの悪い、どっしりとしたパンが多くなります。

【 ドイツの大型パン ブロート(Brot) 】
ツビーヴェルブロート
Zweiebeibrot
ツビーヴェルとは玉ねぎのことで、ローストした玉ねぎをパンに練りこむと大変香ばしく、独特な甘みがでます。
ドイツでは、サワー入りのライ麦パンや全粒粉入りのパンによく添加します。
チーズやベーコンそして胡椒との相性は抜群でビールのおつまみにも最適です。
セサミブロート
Sesambrot
セサミはドイツ語で胡麻の事です。日本人の食生活に欠かせない胡麻は、栄養バランスのよいポピュラーな食べ物として、ドイツでも昔からよく食べられていました。
セサミブレッドは、胡麻入りのパンということです。
シュヴァイツァーブロート
Schweizebrot
シュヴァイツァー(スイス)という名前が付いていますが、小麦粉にライ麦を少し混ぜたドイツの大型パンです。
ヴァイツェンブロート
Weizenbrot
ヴァイツェンは小麦という意味で、ドイツでは珍しい小麦粉100%の白パンです。
ミッシュブロート
Mischbrot
ミックスしたという意味があります。バックコルブという籐かごに入れて発酵させるのが普通のやり方です。
ライ麦粉や小麦粉を同じ割合で作るドイツでは、一般的なライ麦パンで薄くスライスしてハムをサンドして食べます。
ミッシュブロートはライ麦粉と小麦粉が同じ割合ですが、小麦粉の多いパンをヴァイツェン、ミッシュブロートと呼びライ麦粉の割合が多い物をローゲン・ミッシュ・ブロートと呼びます。
ベルリーナ ラントブロート
(Berliner Landbrot)
ラントは地方という意味。
ベルリーナ地方の田舎パンで、小麦粉よりもライ麦粉の方が多い黒パンです。
フロッケンブロート
Flockenbrot
押麦を表面にまぶして焼き上げたパンで、香ばしさと歯ごたえを十分に楽しめます。
吸水を多めにして作るライ麦のパンです。
プンパニッケル
Pumpernikel
日本でドイツパンが黒パンといわれる由縁になったパンと言われています。
神戸の老舗ベーカリー「フロインドリーブ」の創設者フロインドリーブ氏が、ドイツのパンを日本に紹介し、本格的に広まったと言っても過言ではないでしょう。
このパンはローゲン・ミッシュ・ブロートに属するパンで、ドイツ北部のウエストファリア地方の伝統的なパンの一つです。
特別な専用の型を使い、5時間もかけてじっくり焼きこまれるために独特の色と風味と食感が生まれます。
食べ方としては薄く切ってサワークリームやマスカルボーネ等のフレッシュチーズを塗って食べたり、他のパンと組み合わせ食べたりします。
【 ドイツの小型パン  ブレートフェン(Brotchen) 】
ルントシュトック
Rundstuck
フランスパンのフォンデュのように割れ目が入ったパンで、ドイツで一番よく食べられているパンです。
ルントシュトックはハンブルグでの呼び名で、その他の地方ではブレートフェンと呼びます。 朝食向けのパンです。
カイザー・センメル
Kaisersemmel
ドイツ南部、オーストリアではポピュラなパンの一つです。
表面に5つの切り込み模様が入っています。名前の由来は皇帝からつけられたと言われ(カイザー:皇帝、ゼンメル:小さいパン)、ケシやゴマやキャラウェイをトッピングとしてよく使います。
食べ方は横半分にカットしてバターを塗りジャム、ハム、チーズ、ソーセージを挟んで食べられています。
ブレッツェル
Brezel
ドイツやオーストリアの代表的なパンでパン屋のシンボルマークにもなっています。
表面に塩を振りかけたザルツブレッツェルが有名で、ビールのつまみとしてよく食べられています。
焼く前に「ラウゲン液」(アルカリ液)につけて焼くのが特徴です。
日本ではラウゲン液の使用が禁止されているため、苛性ソーダを水で薄めた液を使用します。
そのために独特な風味と食感があり食欲をそそります。
ドイツではおやつ代わりに またサンドイッチとしてもよく食べられています。
シュタンゲン
Stangen
ヘルヘン
Hornchen
生地を薄く伸ばして、何重にも巻きそのまま棒状にして焼いたドイツのパンです。
表面に香辛料や粗塩、ゴマ、ケシなどを振りかけて焼いたものが一般的です。
ケシを振りかけるとモーン・シュタンゲン、塩を振りかけるとザルツ・シュタンゲンということになります。
ヘルヘンはシュタンゲンを角型に曲げて焼いたものです。
【 ドイツの菓子パン 】
シュトーレン
Stollen
シュトーレンには色々な種類があります。日本ではクリスマスに食べるクリスト・シュトーレンが大変有名ですが、復活祭前の四旬節に食べるアドベント・シュトーレンも有名です。
ドイツでは他に、マンデル・シュトーレン(マジパンを練りこむ)、モーン・シュトーレン(黒ケシの実のフィリングを巻き込む)、クヴァーク・シュトーレン(クヴァークチーズを練りこむ)ヌース・シュトーレン(ナッツフィリングを巻き込む)等、色々なシュトーレンが作られています。
クリスト・シュトーレンの形は「乳飲み子だったキリストを包んでいた布の形」であるとか、「イエス誕生の際に東方より訪れた3博士の持つ杖になぞらえたもの」だとか言われています。
シュトーレンはパンというよりも、バターケーキでしっとり焼くのが基本です。作り方もバターケーキとほとんど一緒です。
大変日持ちが良く、ドイツでは11月に入ると仕込みが始まります。
ビーネンシュティッヒ
Bienenstich
ブレッヒクーヘンの一つで発酵菓子です。柔らかめのキャラメルの材料にアーモンドダイスを加え、発酵した生地の上にのばして焼き上げます。
そしてそれを横割りに二分割して、間にカスタードクリームと生クリームを合わせたクリームをたっぷりサンドします。
表面の模様が丁度、蜂の巣のよう見えることからこの名前が付きました。
3時のおやつ(ヤウゼ)には欠かせない菓子の一つです。キャラメルの材料は砂糖、蜂蜜、水あめ、生クリーム、ヴァニラを煮詰めて作ります。
バウムクーヘン
Baumkuchen
ドイツの代表的なケーキです。
バウムは樹木、クーヘンはケーキの意味です。
切断面が樹木の年輪に似た模様になっていることから名前がついています。