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フランスの菓子

フランスのパンは、小麦粉、塩、イースト、水の4つの材料で作ったものが主流です。
日本ではバゲットやバタールなどを総称として「フランスパン」と呼んでいますが、フランスでフランスパンと言っても通じません。
基本的には、それぞれ個別の名前で呼びます。

カヌレ
Cannele
カヌレハボルドー地方の伝統菓子です。
銅製の独特な焼き型に蜜蝋を塗り生地を流して、高温のオーブンで時間をかけてゆっくり焼き上げます。
フランスではカヌレ協会が設立され、この伝統菓子を伝承するために活動を続けています。
東京にも日本支部があり協会の規定にあった店だけに認定書を配り、正式なカヌレとして販売許可がおりるそうです。
カヌレは表面が、カリッとしていて中はしっとりクリーミーな菓子であまり日持ちのしない素朴な菓子です。
サヴァラン
Savarins
サヴァランはジュリアンという3人兄弟が研究し当時、食通として有名だったブリア・サヴァランの名前を取って名づけたと言われています。
ブリオッシュに似たリッチな生地を型に流しキメが荒くなるように焼いて、リキュールの効いたシロップに充分に浸してよく冷まして食べます。
同じような発酵菓子にババがあります。
こちらはポーランド国王のスタニスラス・レクチンスキーの作と言われ、名前はアラビアン・ナイトのアリ・ババから取ったと言われています。
どちらもフランスの夏の菓子として有名です。
キャトル・キャール
Quatre guarts
フランスの伝統的なバターケーキで基本配合が4種類同じ割合の菓子です。
その名前の意味も、4同割りです。バターケーキの基本と言われていて、一番リッチで美味しい配合でもあります。
伝統的な作り方はシュガーバッター法ですが、最近では先に卵を泡立てて最後に溶かしバターを加えて作る店も増えてきています。
この基本配合をベースにラム酒漬けのフルーツやナッツ類を使って、様々なバターケーキを作ります。
ラング・ド・シャ
Langue de chat
フランスの小さな乾き菓子で、形が猫(シャ)の舌に似ている事からこの名前が付いています。
シュークリーム
Shu-cream
出来あがりの形がキャベツに似ていることからこの名前が付いたと言われています。
最近日本でも見られるようになった折込パイ生地に、シュー生地を絞り包んで焼いたシュー・シュルプリーズは、フランスの伝統菓子の一つです。
またシュー生地にチーズを入れて焼いた物やカスタードクリームと混ぜ合わせて脂で揚げたお菓子も有名です。
その他にも、シューを薄くのばして焼きクリームを何層のもサンドした、ブランバンターシュニッテンなどシュー生地を使ったお菓子は数多くあります。
サブレ
Sabure
「砂」という意味で、バターが多く入った軽い食べ口のクッキーをフランスではサブレと言います。
クイニー・アマン
Kouign amann
フランスのブルターニュ地方でひたしまれているイースト菓子で、バターを折り込んだ生地をカットして粒砂糖をたっぷりふりかけしっかり焼いたものです。
表面はかりっとして中はしっとりした食感が特徴です。
ブルターニュ地方で使われてきたブルトン語で「クイニー」はお菓子、「アマン」はバターという意味があります。
もともとブルターニュ地方はバターの産地で、バターを使ったお菓子が数多くあります。
タルトタタン
Taruto-tatan
フランスのオルアネ地方で生まれたリンゴのタルトです。
その昔この地方のラモット・ブーヴォロンという町にタタンという姉妹がいて旅篭を経営していたそうです。
そして狩人に出すデザートとして毎日、アップルパイを作っていましたが、ある日のこと、パイをオーブンから取り出そうとしてひっくり返してしまいました。
タタン姉妹は失敗したと思って狩人には出さずに自分たちで食べたところ、思った以上に美味しかったので、以後、タルトタタンと名づけて、このお菓子をデザートに出すようになったということです。
このようにひっくり返して作るお菓子のことをランベルセとも呼びます。 皆さんよくご存知のプリンもその一つです。
マドレーヌ
Madeiene
18世紀中頃フランスのロレーヌ地方にあるコメルシーという町で作られその後ベルサイユで流行し、パリに広まったといわれています。
発明した人はコメルシーでコックをしていたマドレーヌ・ポールミエという人だそうです。
このお菓子がベルサイユに紹介された時、ルイ15世妃であるマリー・レスチンスキーは当初、ガトーアラレーヌと名づけましたが、その料理がすでにあったため、最終的にこの名前になったそうです。
ガトーバスク
Gateau basuque
フランスとスペインの国境を挟んだバスク地方の伝統菓子です。
昔は厚めのクッキー生地にイクサス地方で取れる、ブラックチェリー入りのカスタードクリームを詰めて焼いていました。
しかし今では、イクサス地方のブラックチェリーが取れないので、カスタードにラム酒で味付けしたり、バスク地方の薬草のリキュールを加えて作られるのが一般的です。
ガレット・デ・ロワ Galette des rois ガレット・デ・ロワはベツレヘムを訪れた東方の三賢人によって、イエス・キリストが神の子として見いだされたエピファニー(公現祭)の日、1月6日に食べるというフランスの伝統菓子です。
ガレット・デ・ロワの楽しみはフェーブ(空豆)が仕込まれていることです。
もともと乾燥した豆を使っていたのですが、今では陶器製のかわいい人形が使われています。
切り分けたガレット・デ・ロワの中からこのフェーブが出てきた人は、王様(女王様)になれるのです。ガレット・デ・ロワ王冠がつきものなのはそのためです。
マカロン Macarons 16世紀にフランスの国王アンリ2世のもとにイタリアのフィレンツェからカトリーヌ・ド・メディシス姫が嫁いだ際に、数多くのお菓子と共に伝えられました。
イタリアが元祖だと言われていますが、フランス各地でアレンジされて広まりました。
種類は何百種類もありますが、最もポピュラーなのが表面がすべすべして、まわりにピエ(フランス語で足)のついた、クリームを挟んだパリの「マカロン・パリジャン」です。