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人類のパンの始まりは?

パンとは?

パンは、「穀物の粉と水を混ぜ合わせて、酵母の発酵によって発生する炭酸ガスで生地を膨らませて焼いたもの」と定義されています。
そして一般的には、「小麦粉、イースト、塩、水の4つを基本原料にして、種類によって砂糖や卵や油脂、その他の副原料を加えて生地を発酵させて焼いたものがパンである」と言われています。

パンの始まりはエジプトから!?

パンは今から約6000年前、古代エジプトで生まれたと言われています。
人類が初めて口にした穀物は紀元前7000年のメソポタミア地域の小麦で、人々はそれをお粥にして食べていたようです。
その後、小麦団子や煎餅を作るようになり、紀元前4000年には石臼で小麦や大麦を挽いて粉にして、小麦煎餅やビールを作っていました。

そして古代エジプトでは、そのビール発酵種を小麦粉に混ぜてガレットとよばれる平焼きパンを焼くようになったのです。 これが世界最古のパンだと言われています。

今、形を残している最古のパンはスイスのトゥヴァン湖付近で発掘されたもので、紀元前3500年前後に小麦粉だけで作られた、重さ250g、直径17cmのパンで、上部が膨らんだ丸形のパンだそうです。
今のパンからは比較にならないような煎餅を多少膨らませたようなパンですが、少なくとも、今から5500年前には、人類は今のパンの原型を口にしていたということが分かります。

エジプトからヨーロッパへ

パンを焼く方法も、最初は砂漠の中で強い太陽熱を利用していましたが、次第に色々な窯を工夫していったようです。
エジプト人は「パンを食べる人」と呼ばれたほどパンを好みましたが、その製法を国外に、伝えることを禁じていました。
それが国外に伝わったのはエジプトに捕虜として捕らわれていたヘブライ人によるものと言われています。
ヘブライ人は窯に工夫を加え、半連続的に大量にパンを製造する方法を開発しました。
これが直焼きパンの製法の始まりです。

その後、パンは、ギリシャを経てローマに伝えられ飛躍的に発展しました。工場生産の始まりです。
そしてローマ帝国が各地を征服していく中で、パン食文化もヨーロッパ各国に伝えられていきました。
ヨーロッパではそれまでに主に大麦を生産していましたが、より美味しい小麦の生産に変化していき、小麦の育ちにくいドイツ、ソ連といった北欧ではライ麦粉のパン、またはライ麦粉に小麦粉を混ぜたパンを作るようになったのです。

アメリカでプルマンタイプの食パンが登場

やがて大航海時代に入り、新大陸から良質の小麦が大量に入ってくるようになると製パン技術も進み、型詰めのパン製法が生まれました。
アメリカのワンローフはこの流れを組むものです。
そして、アメリカでより大量に適した形としてプルマンタイプの食パンが登場するのです。